松原 仁

松原仁さんという人は、テレビで顔だけは知っていた。だが『たけしのTVタックル』で何度か見かけた、ヘンな議員だなという印象しか無かった。おまけに民主党だし、どうせロクなこと言わない左派だろうと思い込んでいたのだが、YouTubeの動画を見て、この議員さんが国会その他でどんな言説を展開してきたか知り、認識を改めた。
南京事件(僕はこの言い方を、日本が濡れ衣を着せられたえん罪事件、という意味で用いる)について、こんなに一生懸命やってくれている議員が居るんだなと感心するとともに応援したくなった。

"従軍慰安婦"の問題、遺棄化学兵器の押しつけ問題など一通り触れており、もしかして小林よしのりに感化されちゃった人か?!ちょっと単純な人じゃないだろうな?という心配も多少沸いてくるが、しかし少なくとも南京事件について、日本国と先人の名誉のため、尊い仕事をやってくれている、ありがたい議員先生であると考える。しっかり頑張って発言し続けてほしいと思った。

この議員先生の名前でぐぐってみるとすぐ判るが、『頭のおかしい議員が日本を正当化』などと扇動的な見出しで松原議員を貶めるブログが多い。文章は皆似ている。コメントも似ている。口汚い嫌み・当てこすり風の言葉、根拠の曖昧な決めつけ論理、それらを総動員したうえで、相手を見下した態度で書こう書こうと、背伸びして書いている。なぜこの手の人物が書き散らす文章は、皆一様に、似たような書き方になるか。
僕は判る気がする。
僕も子供の頃は、左派的な見方に染まっていたから、こういうチンケな人たちの心情も、何となく想像できるのである。しがみつきたいのである。認識を足下から崩されたくないのである。

例えば小学生の僕は、零戦を復元して飛ばしたという記事を読んで、エラく腹が立ったことがある。「あれは人殺しの機械である」と新聞に投書したことがあった。他でもない、その新聞こそが、そういった考えを無垢なぼくらに刷り込んだ一員だったので、喜んで掲載してくれた。つまりその新聞は、常日頃から、小学生にそう思わせるような論調を繰り返し繰り返し印刷し続けていたので、まじめな小学生ほど、ヤラれてしまうわけである。

ただ人の好き嫌いを含めた感情と、意見の違いというのは混同してはいけない。私はこういった左派的な意見にしがみつく人々を、むしろ微笑ましく思う。故人となった担任の先生はいい人で、今でも大好きだが、日教組の先生でもあった。僕は今でも先生を尊敬しているし好きだ。政治的な意見がもし正反対だったとしても。

ところで松原議員には申し訳ないが、僕は民主党には投票しない。小沢とか鳩山が政権を取って何をしでかすのか、私個人の感覚として、どうにも信用しかねるから。
選挙的に応援することはできないが、例の映画『南京の真実』関連の本を買うことで、せめて賛意を示すこととした。