信長の虚像、『南海太閤記』

 NHKで、本能寺の変サミットというのをやっていて、司会の太田が大嫌いなのだが、我慢して観た。

 そこで思ったのは、信長像もかなり変わってきているのだな、ということである。というか、戦後になって急に、民主主義とやらの欧米思想に毒された結果、合理的思想の持主、ともてはやされたのではないか。

 そんな根拠のない断定はさておき、佐藤大輔の信長ものは、原型が小松左京の『南海太閤記』であるという指摘を何かで読んだのが心に引っかかっていた。小松ファン同士の座談的なものだったと思うので、ヨイショはかなり入っていると思うものの、確かにそんな小松先生の短編を、昔読んだ記憶があるので本棚を探してみたが見つけられない。ネットで検索したら、『最後の隠密』所収とあり、角川文庫版を探し当てると確かにあった。目の前の文庫本の山を探すより、ネットで検索したほうが早いとは何たることだ。

 内容は、ディティールは一切省いて、信長が生き延びる話なのだが……
 読み返してみて気づいたのだが、"かの有名なキリシタンベルト"なんて表現があったが、ぜんぜん記憶に残ってなかった。短編で、悪く言えば尻切れトンボ、良く言えば想像力をかきたてて、一番いいところで終わる掌編なんだけど、いややっぱり、小松左京の「上手なウソ」に一気に引き込まれて、楽しい短編である。

いやまったく寒い

笹塚の我が安アパート社宅は、平日の夜だけ過ごす寂しい、陽も当たらない寒い角部屋なのだが、よく考えてみるとそもそも昼間アパートにいることは皆無なので、ぜんぜん問題ないのである。

あまり寒いから、ガスヒーターを奮発して買った。
いまや、これがないと生きていけない。あっというまに温めてくれる、ナイスでコンパクトで安い奴だ。
ただ、ランニングは、電気とどっこいどっこいか、ちょっと高い感じがする。しかし凍死するよりマシだ。

笹塚で私が何をしているかというと、寝て起きるだけである。あとは会社に行っているか、週末になれば自宅に戻る。まさに寝るだけのアパートだ。だが、寝る前には酒を呑む。
家で呑んでもいいけど、店で呑むほうが楽しい。
以前、ブログに記した「千歳鶴」さんはだいぶん前に畳んでしまった。近所のひとに聞いたところでは、おやっさんが倒れたんだそうである。残念であるが、それでも、私なども一度呑むことができたから、有難いと思うことにする。いい店でした。

今は、「鳥貴族」か「ごっつい」さんか、「まんぷく食堂」ばかり行っている。
ごっつい、は、本当に美味しい鉄板焼きのいい店です。いろいろなところにあるみたいだけど、私が行くのは笹塚店。隣は鳥貴族だ。

笹塚駅の南にある鳥貴族は、以前「豊後高田どり」さんだった場所だ。私はいつも、「鳥貴族のパチモン」と呼んでいた(すみません!)が、気に入っていつも寄っていた。
それが、5月に閉店になってしまい、非常に悲しかった。店員とも顔見知りになってたし。
考えてみると「パチモンが閉店したあと、本物が出店した」というわけで、私はいつも独りでニヤリと笑っていた。
幸い、以前の「豊後高田どり」さんと同様、独りでも入れるから、いつもここで飯を食う感じです。閉店は早いけど、私は30分あれば十分に飲み食いできるせっかちな男なので、店に入った瞬間に店員の言う
「ラストオーダー11:30ですけど」
「釜めし11:00で、もう終わってるんですけど」
という毎度のセリフにも
「わかってらぁ。みなまで言うな!」
という気持ちである。…もちろん、バイトのお兄さんお姉さんにそんなことを言ったことはない。

今度は笹塚に住みついた

満員電車での通勤往復4時間が、さすがにこたえてきた。ツラくて、思わず不動産屋に吸い込まれ、思考力のないまま、セカンドハウスというか秘密基地というか、別宅を借りてしまった。3回目だ。
♪だから貯金がたまらない〜(By打首獄門同好会

さて、そんな私が見知らぬ土地で最初に為すべきことは、ただひとつ。呑み屋を探すことである。

千歳鶴(観音通り商店街)
薫風(観音通り商店街)
和酒の店藤小西(居酒屋じゃないけど、酒屋さん)

私が仕事から帰るのは22時前後だから、仕事帰りには絶対千歳鶴には入れないことがわかった。もともと愛想を期待する店ではないが、うまい一口だけ楽しみに寒い道を早足で帰ってきたのに、おばちゃんに冷たく「やってないよ」と言われて、また道を引き返してスーパーでまずい酒を買って帰るのは、もう嫌になった。しかも、その時また店の前を通ると、まだ客が居るじゃないか。俺なんか30分で3杯呑んでさっさと帰る優良客なんだから、入れなさいよ。と言っても向こうは俺の事なんか知らないからしょうがないな。なお、千歳鶴とは北海道の銘酒であり、その樽酒を、なぜか理由はわからんがお茶のペットボトルから注いでくれる。なぜペットボトルなのかは訊けなかった。知らずに行ったら気分を害して一杯目で引き揚げるところだが、事前に噂を確認済みだったので、平然と受け取れた。故郷の酒・千歳鶴は優しい味がする。旨いぞ。店も、愛想はともかく、中は立派である。狭いけど。

薫風は昨夜初めて入った。カウンターだけの、一見バーかスナックなので私の範疇外と思って見過ごしていたが、日本酒の店であった。しかも美味しい酒が何種類もあった。なにより遅くても空いていれば入れてもらえるから、本当に嬉しく呑めた。昨夜呑んだなかでは、竹葉(ちくは)というのが気に入った。他の酒と比べると香りがほとんどなく、味はまさに竹とか葉などのかすかな気配を感じるソリッドな(?)味わい。

藤小西さんは住宅街の中にぽん、とある酒屋。土日もやっているけど、夜20時には閉めてしまうので、平日は私には買えない。買いだめするか。季節限定の樽酒が旨かった。菊水ふなくち、だったかな。冬だけだそうなので、いつまで?と聞いたら2月いっぱいぐらいかなとのこと。買いだめしたい。4合瓶買ったんだけど火曜の夜には完全になくなり、水、木、金とひもじい思いをした。買いだめしかないが、そんなにたくさん売ってくれないかもな。事情と、私の呑むスピードを話して納得してもらうしかないな。

一人で入るのを躊躇する店や、やたらとカウンターがぎゅうぎゅう詰めの、どこにでもある焼き鳥屋はいっぱいあるが、覗いたけど落ち着かなそうでやめたり、満員で断られたり、ばかり。だから今のところ、疲れた夜に自分を癒すのは、せいぜいがこんなところ。北側の商店街も、意外と閉まるのが早いので、寒い中うろついて店を探しても、疲れるばかりだ。

Javaはいま

この15年、「多重継承が出来ないから開発工数が1.5倍必要になった」というニュースも聞かない。…ということを触れるひとがもっと居ていいと思う。当たり前すぎて言わないのだろうけどね。

今日のバスは、チェーンをはずしていた。

確か二年前の大雪では、5日間ほど、とりよせ公園から先のバス、止まったはずだ。登り坂を、バスが登れないという理由で。

札幌と北見の知人に、「大雪大丈夫?」とメールしたら、「八王子こそ大丈夫か、テレビでやってるぞ」と同じことを言われた。

2015-03-11

仕事が府中に変わって初めてシラフで帰る。理由が、あまりに残業しすぎて、独りで呑めるなじみの店が四軒とも閉まった後だったという情けないもの。晩飯も食ってないこういう時こそ呑みたいのにな


馬鹿みたいにくだらない仕事で11時まで働いた後、独りで呑める店が無い!閉まるの早すぎ!

8/18火葬の後

故人の茶碗と箸を持ってきて、と葬儀屋に言われた。
無論、それだけ言われたわけではなく、あれこれ打ち合わせた話題や約束や取り決めや指示や…のうちのひとつに過ぎない。

さて、呆然と家を見回していて、その話を思い出して、台所を調べた。
我が家の箸は、たいしたものは使ってなくて、親子が使う箸もほぼ共用で、特別にどちら、とも明確には決めてない。ただなんとなく、お袋はふだん、より汚い方を使うことが多かった。
木の塗りが剥げかかって、地肌が出つつある箸だったので、これを祭壇に飾られてはみっともないぞ?、と思い、自分が使っている方を持っていった。
葬儀の後、「本来であれば土に返すべきところ、場所が無いのでいったんお返しします」と茶碗を返された。
思わず「箸はどこですか?」とたずね返すと、颯爽とした溌剌とした声で「燃やしました」と答えられた。
燃やしちゃったんだ、俺の箸…