リキッドレイアウト

MS関係者や、息のかかったひとの書いたものでは、「Excel同様に」と説明されることが多い。
間違いではないが、リキッドレイアウトを最も広めたのは、WebブラウザとHTMLである。ウィンドウサイズを縦方向・横方向に伸び縮みさせると、追随して文字の配置が変わっていくレイアウトエンジンが、良くも悪くもブラウザの可能性を感じさせた。「悪く」とは、当時のブラウザでは、従来のアプリに比べるとプリミティブな感じが否めなかった点だ。

そこにつけこんだかどうかは定かでないが、さまざまなプラグインが生まれては消えていく。
2013年現在、たとえばFlashは確かに生き残っているが、必ずしも「Webページ全体のレイアウトエンジン」としては使われていないのではないか。「部品」、時には画面全体を占領するほど大きいけど、他のHTMLとは明らかに異質な「部品」であることをユーザーも了解したうえで使われているように思う。だからこそ、異質な操作性も受け入れられている。正確にいうと受け入れられてはいないかも知れないが、「なぜそこだけ操作性が違い、やたらとロードに時間がかかるのか」を、大多数のユーザーも理解し(あきらめ?)たうえで、使われている。

余談だが、CSSが使われだす前後の時期、Webにおいても固定レイアウトが幅を利かせていた。(もちろん今でもあるけど)
僕はリキッドレイアウト(という言葉は知らなかったが)こそが、Webブラウザの良い点と思っていたから、そんなページを見るたび、軽い苦々しさを感じた。同じ感性のひとは、決して少なくないと信じる。

そしてMSは、そんな固定レイアウト的なデザイン感覚を、推進する側だった。と言うと言い過ぎかもしれないが、何とかして既存のブラウザを、Windowsの世界と同化させようとしていた(今もしている)のは誰もが認める事実である。