退院して二度目の日曜日がやってきた…

あいかわらず足を地面に着けてはいけないので、家で、サンデープロジェクトなど観ている。左足を、どうしていいかわからなくて、数十秒おきにポーズを変えている。というのも、普通に足を机やそのへんの家具の上に投げ出すと、針金を入れた外側の部分が当たって痛いんです。

いっそギブスしてくれれば楽なのだが、それでは回復がおくれるので、指は動かせ、とのことである。でも、あまり調子に乗って動かしていると、
「ズギューン!」
と、小生にしか聴こえない銃撃音がして、患部を撃ち抜かれるような痛みが襲うんだよねぇ。

だから、だいたいは足を組んで居るのだが、いつもこのポーズだと、左脚の膝あたりがダルくなってくる。ちなみに恥ずかしいが、トイレでも、脚を組んだポーズで、用を足しているんだ。大変なんだぞ。

数日にいっぺん、病院に消毒に行くのだが、狭く混み合った待合室は難儀だ。

もっと驚くのは会社の連中が、「暇だろう」とばかりに、仕事ファイルを送ってくることだ。確かに愛想をこめてそう言ったが…本当に送ってくるとは驚きだ。頑張って内容を読もうとは思うが、そんな気になかなかなれない。

松葉杖男の蟄居生活が暇だと思うのは、想像力不足である。とは言え、書いている小生さえ、自分がそういう境涯になるまで、知らなかった。未経験者に想像がつかないことを、責める気にはならない。

「やることがなくてヒマ」だなんて、とんでもない誤解だ。あらゆる日常の動作、ちょっとした立ち居ふるまいのひとつひとつが、本人にとっては大冒険なのだ。例えば寝返りひとつだって、足首に気を遣うぐらいのデリケートさなんだ。まして、台所に行ってレンジでチンしてご飯食べよう、と思うと、頭痛がしてくる。もっと大変なのは、シャワーを浴びる時(風呂はまだ禁止)だ。コケる危険もあるし、命懸けだぞ。これが「水曜どうでしょう」なら、8週分ぐらいに編集して放送するだけの、濃密な闘いが繰り広げられるのだ。

だから、毎日が早いんだ。本当にあっという間に一週間が過ぎたんだ。

それを「暇だろう」なんて抜かす輩がこの世に存在するはずはないが、念のため書いてみる。
でも、確かにふだん書かないブログは書いているなぁ。